こんにちは!奥多摩在住ダウンシフターのたまおです。
先日、友人が開く都心のイベントに行ってきました!
久しぶりに会う友人・知人が大勢いて、そのうちの何人かから、
ひさしぶり~!移住したって聞いたよ!元気にしてるか心配だった~!
と声をかけていただきました。
お心遣いありがとうございます!心身ともに過去最高潮に健康です!!
ただ、最近は悩み事があまりないせいか、オノマトペを声にすることが増えてきました。
このまま自分が、悩み事がないことに悩みはじめないか、少し心配しています。
さて、今回は「再就職手当」に関するお話です。
「再就職手当」は、仕事を辞めて失業保険を受給している人が、早めに新たな就職先を見つけると給付されるお祝い金のこと。
どうやらこの「再就職手当」は、「就職」でなく「起業」でも受け取ることができるらしい。
でも、ネット上では「就職」して受け取った体験談は多く見つかるものの「起業」で受け取った体験談はほとんど見当たりません。
これから生活のダウンシフトを検討していくにあたって、働き方の選択肢やそれに伴う給付金は多いに越したことはないはず!
そこで今回は失業保険の「再就職手当」を個人事業主として受給するまでを体験談として記事にしました。
受給までのスケジュール感や、受給金額もあますことなく載せていますので、これから仕事を辞めて新しい生活を送り行く皆さんの参考になれば幸いです。
目次
「失業保険」と「再就職手当」のざっくり説明
制度概要
会社員だろうとアルバイトだろうと、特定の事業所における週当たりの労働時間が20時間を超える場合は、原則社会保険に加入します。
この社会保険の1つが雇用保険です。
雇用保険に1年以上加入していると、今の仕事を辞めてから次の仕事に就くまで「失業保険」を受け取れます。
この「失業保険」には期限がありますが、期限内の早期に次の仕事を決めることができれば、お祝い金として「再就職手当」を受け取れます。
たまおの受給条件
たまおを例に、「失業保険」でどの程度のお金を受給できるか確認しましょう。
僕は6年間勤めた会社を「自己都合」で退職しました。この場合「失業保険」の基本手当の給付日数は90日間となります。
給付日数に対して支払われる1日当たりの金額を基本手当日額と呼びます。
これは離職前6か月の賃金を基に計算され、僕の基本手当日額は7,291円となりました。
そのため、僕の場合は仕事を辞めてから次の仕事が見つかるまで、最大で656,190円(90日×7,291円)を受給できます。
実際の受給額
実際には、早期に個人事業主として開業したため、満額は受給していません。
「基本手当(23日分)」が167,693円
「再就職手当」が290,311円
合計458,044円
となりました。満額もらうより全然少ないです。
それもそのはず、「再就職手当」は満額受け取る場合の6~7割で計算され、更に基本手当日額にも上限額があります。
それでも、仕事を発注してもらえる話が進んだので、7月24日付で個人事業主として開業し「再就職手当」を受給することを選びました。
ちなみに、雇用保険説明会の中でハローワークの職員さんは、
さっさと働きはじめた方が、給料も「再就職手当」も受け取れるからお得だよ!!
と早期就職を勧めてきますが、給料は働いた対価として受け取るものなので、受け取っても別にお得ではありません。
次の仕事をゆっくりと検討して「失業保険」を満額受給するもよし、さっさと新しい仕事をはじめて「再就職手当」を受給するもよし。
今後の生活に合った方を選べば良いと思います。
個人事業主として「再就職手当」を受け取るまでの手順
実際のスケジュール
まずはカレンダーで概要を示します。
僕は3月末に退職したのち、ハローワークの初回訪問が4月24日、個人事業主として開業したのが7月24日、「再就職手当」を受給したのが8月2日となりました。
退職から「再就職手当」の受給まで、おおむね4か月といったところでしょうか。
それぞれの手続きついては、以降で細かく確認していきます。
※超余談ですが8月14日に妻との結婚記念日を迎えました。「パートナーと良好な関係」を築く方法をこちらで学術的な知見も交えながら超真面目に記事にしています
「受給資格の決定」
「失業保険」の手続きを進める際、まずは所管のハローワークで「受給資格の決定」を受けましょう。
「受給資格の決定」を受けるには「離職票」を持っていく必要があります。この「離職票」は退職後に会社から発行される書類で、通常2週間もあれば届くようですが、僕の場合は3週間経っても届きませんでした。
なかなか離職票が届かないことをハローワークに電話相談すると、
会社の発行が遅い場合は「離職票」なしで仮申請もできるよ!
と説明をいただき、4月24日に「受給資格の決定」を受けるために訪問してきました。
「離職票」は会社から届いたのちに提出することになり、5月9日に郵送で届いたので、5月10日の「初回講習」のタイミングで提出しました。
「受給資格の決定」を受けた日から通算して7日間は「待機期間」と呼ばれます。
この期間はハローワーク側が事務処理を進める期間となるため、間違っても働かないようにしましょう。
「給付制限(2か月)」と2つの強制イベント
「待機期間」が終了したのち、自己都合で退職した僕には「給付制限(2か月)」があります。
つまるところ、僕の場合は2か月(6月30日まで)経たないと「失業保険」の基本手当を受け取ることができないという制限期間です。
自分の都合で仕事を辞めたんだし、2か月くらいは貯金で生活しろよな!
ということだと思います。
また、この2か月の間には「雇用保険説明会」と「初回講習」という強制イベントがありました。
「雇用保険説明会」では、1時間半かけて「不正はいけません」「早く就職しましょう」ということを懇切丁寧に説明してもらえます。
「初回講習」では、履歴書の書き方などを習いました。
後述しますが、「初回講習」は今後必要な経験値(求職活動実績)としてもカウントできるため、それなりに有用だと思います。
「認定日」と経験値(求職活動実績)
2つの強制イベントを乗り越えると「失業認定日」が待っています。
この認定日とは、
君は新しい仕事に就こうとがんばっているけど、無職なんだね!!
と認めてもらうもの。
僕の場合は5月22日に「初回失業認定日」、7月14日に「第2回失業認定日」がありました。
「初回失業認定日」には1回分の経験値(求職活動実績)が、「第2回失業認定日」には2回分の経験値が必要となりますが、「初回失業認定日」は強制イベントの「初回講習」を経験値扱いできるため、自身ではなにも行動する必要がありません。
一方で、「第2回失業認定日」からは自身で何かしらの行動を起こして経験値を稼ぐ必要があります。
僕はマイナビ転職に登録をして2社応募しました!!
そして無事に「第2回失業認定日」を終えて、7月19日には基本手当94,783円が振り込まれました。
民間企業の転職サイトを使って求人応募をするだけなら、1社あたり5分程度で済ませられます。
ハローワークで職業相談をするもよし、セミナーに参加するもよし、転職サイトから応募するもよし、自身に合った方法で経験値を獲得しましょう。
個人事業主として開業後に「再就職手当」をもらうための手続き
僕は7月頃になって個人事業主として起業するか否かを真剣に考え始めました。
ただ、開業すれば誰でも「再就職手当」を受給できるわけではないようです。
支給要件が①~⑧まであり、①②③④⑥⑦⑧は特に問題ありませんが「⑤1年を超えて勤務することが確実であること。」の証明が非常に難しいと感じました。
そこで、どうしたら「再就職手当」を確実に受給できるだろうと、ハローワークに電話相談をすると、
個人事業を開業する場合、1年を超えて勤務することの証明はどうしたら良いですか?
実は、個人事業を開業した人のケースはほとんどなくて…
ネットの記事では「事業ホームページのサーバーの年間契約書類」で証明できたという記事もありましたが
あ~、そういう手もあるんですね。実際に提出をしていただかないとなんとも…総合的に判断します。
と、腑に落ちない回答を受けました。現場の職員では判断が難しいようですね。
最悪の場合は「再就職手当」をもらえなくてもしょうがないと腹をくくり、申請を進めることにします。
そして、7月24日に個人事業主として起業。7月25日に税務署を訪問して開業届を提出。そのままハローワークを訪問して開業報告。
「⑤1年を超えて勤務することが確実であること。」の証明については、取引先との契約書類の控え(年間契約)を提出しました。
窓口の方からは、
起業おめでとうございます。「再就職手当」の申請も受け付けました。審査結果については、後日郵送でお知らせします。
と伝えられ、7月27日には「第2回認定日」から起業するまでの基本手当が、8月2日には「再就職手当」が振り込まれるにいたりました。(審査結果が届いたのは振込よりも遅かった)
こうして無事に「再就職手当」を受け取れましたが、ひとえに取引先との契約書類(年間契約)があったお陰だと感じています。
実際問題、新しく事業をはじめる上で給付金はあればあるほどありがたいですし、事業の成功確度も上がります。
そのため、ハローワーク職員の対応があいまいな部分はあると思いますが、なるべくしっかりと確認をとることをお勧めします。
また、きっと独立する皆さんに仕事を発注する取引先には、これからがんばる皆さんを応援したい気持ちもあるはずです。
年間契約などを結べないか交渉してみるのも、「再就職手当」を確実に受給するためのひとつの手段だと思います。
さいごに
いかがだったでしょうか。
「たかが数十万円のために面倒な手続きしてないで、さっさと働けば?」という指摘も当然あると思います。
それでも僕は、今後の働き方についてゆっくりと検討する時間と新しいことをはじめる準備期間がほしかったので、制度を精一杯利用しました。
たかが「失業保険」、されど「失業保険」。たかが「再就職手当」、されど「再就職手当」。
皆さんが制度をうまく使いこなして負担なく新生活にシフトできることを願っています。おしまい。
※起業に関する記事はこちら