そろそろサービスをローンチするので、コケとのこれまでを振り返ってみる。

こんにちは!奥多摩移住者のたまおです。今回は仕事に関する内容です!!

これまでもいくつかの記事で「地域に仕事を創りたい」「コケを活用したい」「車があれば不動産不要?」などなど、仕事について検討する過程を報告してきました。

その後もなんだかんだで検討・準備を進めまして、いよいよローンチ直前というところまで来ました。

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当ブログのモットーは、移住生活の参考になるように方法・過程・結果などを飾り気なく公表していくこと。

ローンチ直前のいまだからこそ、ここまでのプロセスを振り返っておきましょう。

ところで皆さんは文化祭などのお祭りごとだと、いつが1番好きでしたか?

やっぱりお祭り当日?

それとも後夜祭?

もしかして打ち上げ?

僕は断然、前日派!!

前日の夜になると「いよいよ明日…!!」というわくわくと寂しさが込み上げてきませんか?

これまでの過程を振り返りながら、「アイデアしぼり出したな~」「現実的な意見に落とし込んだな~」「ちまちま冊子を作ったな~」「楽しんでくれるかな~」って。

そんな時間が愛しくて切なくて、ずっと前日の夜が続いたらいいのにと思うことさえあった気がします。

そうなんです。サービスをローンチする直前のちょうど今まさに、文化祭前日みたいな気持ちなってしまっているんです。

移住してきて、経験を足で稼いで、アイデアを練って、ようやく形にすることができました。

いつまでもこの余韻に浸っていたい気持ちもありますが、

いい加減サービスを開始しろ。もしくはバイトでもしろ。

と妻が温かく応援してくれているので、そろそろ重い腰をあげなければ…。

というわけで、ここまでの軌跡となります。

コケとの想い出を振り返る

出会い

でっかい山!綺麗な川!背の高い森!

都心から移住してきてしばらくは、奥多摩の大自然に胸を奪われることが多かったように思います。

そんな興奮も落ち着いたころ、町内を散歩していてふと「壁めっちゃ緑じゃん!!」と思う瞬間がありました。

緑の壁の正体はコケ生した石垣。

奥多摩町の至る所に、こうした緑の壁が存在しています。

「コケってこんなに生えるんだっけ?都心のコケはどんな様子だったっけ?」

となかなか思い出せず、移住前に住んでいたまちを改めて歩くと、コケはほとんど見つりません。

スケールの大きな話ではなく、まちなかの何気ない緑までも、都心と奥多摩とでここまで異なるという事実に衝撃を受けました。

これをきっかけに、

奥多摩のコケすげえ

と興味を持つに至ります。

好きなところ

先日、フリーペーパーの「BLUE+GREEN JOURNAL」さんから移住者特集の取材を受けました。

サンプル採集したコケを見せびらかしながら、1つの1つの魅力を語っていると「コケのどんなところが好きになったんですか?」と尋ねられます。

とっさに「静かなんですよ」とだけ応えてしまいましたが、さすがに伝える努力が足りなすぎる…

こういう活動を始めたこともあり、友達や新しく知り合う方からも「コケのどの辺が好きなの?」と聞かれることが増えてきたので言語化しておきたいと思います。

思い返すと、コケにハマってからの日は浅いものの、コケ的な存在は高校時代から好きでした。

コケは、自然界の中で控えめな性格をした存在だと僕自身は認識しています。

木々のような大きさもないし、花の様な派手派手しさ・可憐さもない、シダのように元気良く飛び出して自己主張もしてこない。

きちんと役割を持って生態系に属しているのに、佇まいが物静か。それでいて掘り下げるとユニークな点が浮かび上がってくる。

人間社会にも色々なタイプがいますよね。

リーダー気質の人、意見をはっきりと言う人、エピソードトークが多い人、協調性が高い人…。

そんな中で僕自身は、あまり言葉数は多くないけれど、話しかければ相応に応じてくれるようなタイプと親しくなる傾向がありました。

話してみるとおもしろいし、何より居心地が良かったんでしょう。

コケの魅力を話しながら、こうした友人たちの顔が浮かぶことには賛否があるかもしれませんが、だいたいそんな感じです。

そういえば、自分で描くコケのキャラは絶対口が開いていない

居心地が良くて知れば知るほどにおもしろい。それが僕にとってのコケの魅力なんだと思います。

コケのことをたくさん調べた

興味を持ってからはコケのことを知るために、なるべく多くの本を読むことにしました。

コケ関連の本はそこそこ出版されていますが、大半を近年出版されたテラリウム関連の本が占めています。僕自身はどちらかと言えばコケの生態に興味があったので、そうした本を探して片っ端から読んでいきました。

大体5冊くらい読んだところで、書籍間の共通する内容に気づくことができました。(例:「コケ」という名前の由来、コケの種類など)

実際に読んだ本を思い出して書き連ねましたが、結局20冊は読んでいたみたいです。

★コケはなぜに美しい大石 善隆
苔の話 小さな植物の知られざる生態 秋山 弘之
じっくり観察 特徴がわかる コケ図鑑大石善隆
コケ見っけ! 日本全国もふもふコケめぐり藤井 久子
★知りたい会いたい特徴がよくわかるコケ図鑑藤井久子 、 秋山弘之
ずかん こけ木口 博史 、 古木 達郎
★自然散策が楽しくなる! コケ図鑑木口 博史、 古木 達郎
一番くわしい苔の教科書 苔玉・苔盆栽・苔盆景・苔テラリウム石戸 明一
コケの国のふしぎ図鑑左木山 祝一
コケはともだち藤井 久子, 秋山 弘之他
ときめくコケ図鑑田中美穂、 伊沢正名
コケ (フィールド図鑑)井上 浩
★コケの自然誌ロビン・ウォール・キマラー
★コケの生物学 (のぎへんのほん)北川 尚史、 しだとこけ談話会
コケの世界 (科学のアルバム)伊沢 正名
コケの世界―箱根美術館のコケ庭高木典雄
コケの謎―ゲッチョ先生、コケを食う盛口 満
オカモスニュース(55,56)岡山コケの会
蘚苔類研究(第12巻11号,12号)日本蘚苔類学会
改定新版・コケ類研究の手引き日本蘚苔類学会
順不同、★は特にためになったと感じたもの
現在、図鑑だけで6種類の書籍を所持(複数の書籍の情報を照合しないと種類の特定が困難でこんなに買う羽目に…)

コケをいじってみた

読書と同時並行で、コケテラリウムクリエイターの養成講座に通い始めます。

コケテラリウムに強く関心を持っていたというより、「コケのことを教えてもらえるなら何でもいい!」という焦がれでした。

僕が通ったのは全5回・各回3時間のプログラムで、テラリウムは計4つ作成。

コケの管理方法なども教えていただき、今後雑貨製作などをするにはとても参考になる内容でした。

自身の作品、ハリネズミの背中がホソバオキナゴケになっている

ただ、実際に通ってみたことで、周囲との温度差みたいなものにも気づきました。

僕は綺麗なテラリウムを作ることや見ることにはあまり関心がないみたいです。

それよりも、講座の参加者がコケの断片や汚れたコケをゴミ箱へ捨てる空間そのものに引っかかりがありました。

コケは葉や根(仮根)、茎などの欠片から無性生殖ができるとされているのに、こんな人間の身勝手な振る舞いはないよな~と。

だからこそ自分自身でサービスを立ち上げるときは、環境保全につながる視点を強く出していきたいと思いました。

雑貨についても構想は固まっていて、環境保全の視点も踏まえた内容にしていく予定です。

コケに会いに行った

いくら本を読んでも、テラリウムで数種類のコケをいじっても、まちなかで見かけるコケの名前はわからないまま。

もっともっと外に出てみることにしました。

養殖ゴケの販売店を訪問して店主さんの話を聞いたり、板橋区立熱帯環境植物館で苔の展示を見たり、箱根美術館で苔庭師の話を聞いたり。

色々な人の知識に触れるとともに、展示品などから学ぶことで、少しずつ見分けがつくコケも増えました。

なんとなく自信も付いてきた頃、「自分のフィールドを持つぞ」と近所のコケを調査しはじめました。

近所の道を何度も歩いて、見たことのないコケがあればサンプルを取って、ルーペや顕微鏡も使いながら同定作業を進めます。

それらの情報を整理して出来たのがこちらの観察会用コースマップ。

A5版 全4ページとわずかな資料ですが、中には近隣で見られるコケの情報がたくさん載っています。

印刷発注したものの、仕上がり線が入ったまま納品された…(自分が悪い)

環境問題全般への学びを深めていく

僕がこの活動を通して目指したいことを要約すると、こんな風に整理できると思います。

「奥多摩で人とコケとのふれあいの機会をつくり、環境保全に関心を持つきっかけになったらいい」

だからこそ、環境保全や奥多摩の自然環境そのものに対する理解を、今よりもっと深めていく必要があると感じています。

そこで先日、千葉県柏市の青少年教育施設で日本自然保護協会が開催する、自然観察指導員の講習を受けてきました。

1泊2日で自然観察会のノウハウや環境保全について座学で学ぶとともに、自身で自然観察会を企画・実施まで行うというプログラム。

自然そのものに興味を持ってもらうには、学芸員のように知識を伝えるだけの観察会になってはいけない。五感をフルに使って自然を楽しむことの重要性を学ぶ機会となりました。

公園内の自然から、日本の伝統色を探すというグループワークの様子

今後は、東京都サポートレンジャーの講習も受ける予定で、引き続き学びを深めていきたいと思います。

さいごに

僕はあんまり計画性のある方ではありません。

僕のことを近くで見ていた妻は「何をしているんだろう」と不思議に思うことがあったろうし、僕自身も「これして何するつもりだろう」と思うことがしばしばありました。

それでもこうして振り返ってみると、移住してきてからやってきたことは1つにつながっていた気がしていて嬉しく感じます。

(軽バンも現時点では出番がないように見えますが、そもそもこれがないと、自宅から観察会のフィールドまで気軽に移動できない)

何より、アルバイトとかを始める前に、1つ形にできてよかった!!

目先の生活費をアルバイトで稼ぎ始めていたら、なんだかんだ言い訳して、なかなか自身で何かを始めようとしなかったかもしれません。

みんなも奥多摩に来たらコケとふれあいに来てね。あと、紅葉も見に来てね。おしまい。